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●中司前市長の冒頭意見陳述081021(正規版)


08.10.25 PM 2:20 (土)      中司前市長の冒頭意見陳述正規版

昨晩、中司前市長の正規版冒頭意見陳述をいただきました。これにより23日にアップしました文章は「速記版」といたします。
正規版を読みますと、なるほど微妙なニュアンスの違いが認められます。議会答弁にも感情に流されることなく、微妙な表現にこだわられた中司前市長の細やかさが感じられます。よって、23日の「速記版」を修正することなく「正規版」もアップしておきます。

2008.10.21 大阪地裁201号法廷にて           正規版

 市長職を辞してから一年余りがたちましたが、初めて私の思いを申し述べることができるこの日を、一日千秋の思いで待ち望んでおりました。
 私は、昨年春、4期目の就任をさせていただいた直後に、談合容疑で逮捕・起訴されました。そして、昨年9月に、市政に混乱をもたらし、市政に対する信頼を損ねたことへの責任を取って辞職いたしました。       

 このことについて、当時の市政の責任者として万死に値することと、市民の皆さん、そして市職員並びに関係者の皆さんに心からお詫び申し上げます。同時に、公約として掲げたマニフェストの実現に対して、市民の皆さんのご期待に応えることができなかったことを大変申し訳なく思っています。

 しかしながら、私は、談合に関与しておらず、談合罪に問われるような行為は一切行っておりません。公訴事実にあるような、第2清掃工場の建設工事の入札において公正な価格を害する目的で共謀し、大林・浅沼共同企業体が落札するよう談合を行ったことはありません。

 枚方市の第2清掃工場は、市民生活にどうしても必要であるにもかかわらず、近くに建てられるのは困るという、いわゆる迷惑施設でありました。
 このため、環境面での心配などから、建設予定地周辺の住民による激しい反対運動が続いていたのです。
 加えて、当時、市の財政は非常に厳しい状況にあり、財政再建と清掃工場の整備を両立して進めることが課題となっていました。
 そこで私は、行財政改革を強力に推し進め、その一方で、施設の整備について理解を得るため、何度も地元の集会に足を運び、罵声の中で頭を下げ、ときには深夜まで話し合いを行いました。
 
その中でいただいた地元の皆さんのご意見を受け入れて、環境への最大限の配慮を約束するとともに、焼却ごみの半減を掲げるなど、積極的にゴミの減量施策を推進してきました。その結果、施設の規模も予算の額も、当初の予定より大幅に削減することができたのでした。
 第2清掃工場は、このように、地元のみなさんとの話し合いを繰り返して、理解と協力を求めるなど、10年余りに及ぶ多くの人々の努力の末に、やっとのことで計画を前に進めることができたのであります。

 また、枚方市では、私が市長に就任する以前、別の清掃工場の建設にさいして契約に疑惑があることが判明し、市議会で調査特別委員会が設置されたことがありました。
 だからこそ、事業の実施にあたっては、まず、環境面で世界最高水準であること、そして、談合のない施設整備を行うことを大方針として取り組んできました。
 建設に反対する方々の理解を求め、職員と一緒に、本当に苦労に苦労を重ねた事業だったのです。ですから、特定の建設会社を利する行為に加担しようなどという考えも認識も一切ありませんでした。もちろん、何らかの見返りを求めたこともありません。
 それだけに、よもや私自身が談合の嫌疑を受けることになろうとは思ってもみませんでした。まして、これまで何事においても公正な行政を進めてこられた小堀副市長まで巻き込んでしまうことになり、まさに断腸の思いで、悔やまれてなりません。
 
 私は、平成7年4月に市長に初当選以来、生まれ育った愛する枚方の発展のため、市民の皆さんの幸せを実現するため、身命を賭して尽くしてまいりました。全市民に対して公平、公正であり、財政を健全にし、環境にやさしく、政策本位の行政を築くことが、就任当初からの私の政治目標でした。
 そうした考えから、全国で初めて市政にマニフェストを導入し、市民のみなさんに公開しました。そして、マニフェストに基づく市政改革に全力で取り組み、財政再建を果たすとともに、市民生活に必要な数々の事業を実現してきました。また、行政の透明性を高め、利権構造をなくすために、他市に先駆けて情報公開や市民参加の導入、入札制度の改革などを行ってきたのであります。
 市役所職員、そして、市民のみなさんと一緒に進めてきた、取り組みの全てを誇りに思っています。
 
 今、第2清掃工場が完成し、稼動後の周辺地域の環境を守るために、里山でのボランティア活動に参加しています。立ち上がった施設を目にし、整備に苦労してきたことを思い返す度に、このような事態に直面した悔しさが胸にこみ上げてきます。
 
 この一年半、私にとりまして、かつて経験したことのない辛いときを過ごすことになりました。とりわけ、大阪地検特捜部の苛烈極まりない取り調べの中で、精神的に追い詰められ、何を言っても聞き入れられないことへの無力感や挫折感から、事実と異なる供述調書に署名してしまった、自分の弱さを思うと、残念でなりません。
 また、先に行われた、他の被告人の裁判での証言についても、悔しい思いで一杯であります。
 
 これまで、この状況に耐えて沈黙を守ってまいりましたが、この裁判を通して事件についての真実が明らかになり、私の潔白が証明されますことを強く願っています。

さて、上記が正規版全文です。秋の夜長、速記版と正規版をコピーして読み比べられることをお勧めします。
句読点も含め、40カ所ほど修正いたしました。中司前市長らしさを感じ取ることができます。

今回、「速記」は、あくまで「速記」であることを改めて勉強させていただきました。
なお、議員報告地域配布版には「正規版」を掲載したいと思います。







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