データバンク2> O元市議 証言録  08.11.21

O元市議は枚方市の建設業界で知らない人はいない超有名人。市議も5期20年勤められ、議長も経験されている本当の実力者。広い人脈を持たれ国政にも通じておられます。

私も平成11年から15年まで議会でご一緒させていただきましたが、O元市議の議会質問は「O節(○○○○ぶし)」と言われるほど個性的で高度な質問をされていました。
その質問内容を理解するのにも議員としての年期が必要な質問内容でした。

その深みのあるO元市議の証人尋問を、傍聴メモを元に極力正確な再現をこころみました。
尚、文中には出てきませんが、法廷では検察側、弁護側、裁判官から、再三に渡り「質問だけに答えてください!」と指導が行われたほど能弁に証言されていました。「O節」はご健在でした。

※証言の内容が分かりにくいですが、そのままです。(09.05.13アップ)


O元市議 証言録 (敬称を略します)

平成19年(わ)第4648号 
第11回公判
被告人   中司 宏
被告事件名 談合
公判日   平成20年11月21日
裁判所   大阪地方裁判所第3刑事部
裁判長裁判官 樋口裕晃
裁判官    橋本 健
裁判官    能宗美和
検察官    保坂和人 川副万代
弁護人    後藤貞人(主任) 陳 愛 高見秀一

証人 O元市議



証人宣誓 
良心に従って、真実を述べ、何事も隠さず、偽りを述べないことを誓います。


検 察 官 (保坂) 

証人は,昭和58年4月から平成15年4月までの間,枚方市議をされてますね。

証 そうです。

検 市議でおられたときに,力を入れておられた施策の分野というのは,どういう分野でしたか。

証 枚方市は都市基盤整備が遅れておりましたので,私は都市基盤整備を特に下水,道路,小学校等に力を入れることで立候補させていただいておりました。

検 証人は,土木建築業者の方とお会いになるということはありましたか。

証 あります。

検 お会いになって,どんなようなことをされておったんですか。

証 都市基盤の整備等々につきまして,枚方市のあるべき道等々、若い方々にいろいろ伺ったりしておりました。

検 土木建築業者の方から資料を作ってもらったりしたことはありましたか。

証 あります。

検 そういうことは,どういう場所でお会いになっていたんでしょうか。

証 自宅が多うございました。食事なんかしながらしました。

検 それは土木建築業者の方が証人の御自宅に訪れておったと,こういうことですか。

証 そうです。複数で来ておりました。

検 例えば、どんな業者の方が来られてましたか。

証 大手でしたら,大成建設,竹中工務店,大林さん。

検 中堅とか準大手で言うと。

証 国土建設,松村さん,奈良の村本さん。

検 じゃ,あと,枚方市の地元業者でいうと,どんなところが来られてましたか。

証 地元業者は,ほぼ全部っていいますか,役員,建築部の中の組合さん,特に多かったんはサンエ一スさんとか,高島さんとか。

検 そういうふうに一杯来られてたということですね。

証 そうでございます。

検 証人は,そういった土木建築業者に,先ほどあった資料とかを作ってもらって,それはどうしておったんですか。

証 結局,部局にも,こんなんどうかと,市長さんにも提案したこともございます。

検 今,部局とおっしゃったのは,枚方市の部局ということですか。

証 そうです。

検 こういう作ってもらった資料を基に,こういうのどうやと提案をされておったと,こういうことですか。

証 はい,そんなんもあります。

検 証人が枚方市議をやっておられたときに,当然選挙というものがあるわけですけども,選挙のときにゼネコンのほうからの支援をしてもらったということはありましたか。

証 あります。

検 どういった支援をしてもらっておりましたか。

証 枚方市にゼネコンさん,たくさん社宅とか寮とか持っておりましてね,そこに選挙後援っていいますか,投票依頼等々につきまして,名簿なりいただく,そういう支援をいただいておりました。

検 それは証人にとっては,どうでもええことなのか,有り難いことなのか,それはどういうふうに受け止めておられましたか。

証 それは大変有り難いことでございます。

検 その5期お務めになった市議の時代に,後半のほう,例えぼ,3期日,4期,5期目ぐらいで,特に支援を多く受けておったゼネコンというのは,どこかございますか。

証 先ほど言った大成,村本,松村,竹中が多いように思います。

検 大成建設の営業担当の方に,中元さんという方がおられるんですか。

証 はい,おります。

検 その方とは,証人,けっこうお会いになっておられましたか。

証 はい。

検 ちなみに,証人の御自宅というのは、どこの業者に工事をやってもらったんですか。

証 大成に建設してもらいました。

検 先ほど名前の出た松村組というところなんですけども,その役員の方に何か縁せき関係の方がおられましたか。

証 はい,ございました。あります。

検 先ほど名前の出たサンエースというところなんですが,サンエースさんとの間で,何か土地の取引か,何かをしたことがあったんですか。

証 はい。サンエースさんは,1回目,初めの私の選挙やなかったんですけども,回を重ねるごとに選挙応援してくれるようになりました。

検 土地の取引をなさったことがありましたか。

証 あります。私の土地も,妹の土地も買っていただいたし,そこら辺の私の知り合いの方の土地を,たくさん買っていただいております。

検 ところで,証人が枚方市議をされていたときに,会派というのには属しておられましたか。

証 おります。

検 証人が属しておった会派というのは何という会派ですか。

証 名称はいろいろ変わりましたけども,初めは自民党クラブとか,昭和58年から3人会派,あるいは次は5人会派であったり,また3人会派になったりしましてね,大体5回やってましたけども,その中で代表を務めさせていただいておりました。

検 大体,証人の会派には3人から5人ぐらいの市議の方がおられて,証人は,言ったら,ずっとボスをされておったと,こういうことでよろしいですか。

証 会派の団長をさせていただいておりました。

検 証人は,平成15年4月まで市議をされておって,その後,市議ではなくなったわけですけども,同じ会派におられた方と接するということは,それ以降なくなったんですか。

証 いや,私OBですからOB会に入りまして,OB会の役員をしておりましたから,各議員さんとは接触はありました。それで,僕の元おった会派からは,会派運営について相談は受けておりました。

検 相談を受けて,こうしたらいいんじゃないか,ああしたらいいんじゃないかというアドバイスというのはされておったんですか。

証 はい。

検 証人の後継っていうんですかね,後継ぎ,分かりますか。

証 はい。

検 そういった市議の方というのは,おられたんですか。

証 1回はなかったんです。私が15年から19年までね,うちの地域からは,どなたも出てくれなかったから,空きまして,19年に私の後継としてホリノさんという議員が出ていただいております。

検 ところで少し話は変わりますが,今,被告人でいる中司氏のことは御存じですね。

証 はい,知っております。

検 中司氏が,平成7年4月の枚方市長選に立候補するということになったわけですけれども,証人は中司氏が、その市長選に立候補することに賛成でしたか。反対でしたか。

証 僕は,市長選挙には出ないように勧めておりました。

検 それは中司氏の立候補については,証人の立場はどうだったんですか。

証 反対です。

検 証人が反対だった理由は,手短に言うと,どういう理由からですか。

証 中司さん,選任されておりましてね,府会議員,それから衆議院選挙に立候補されておりまして,落選されましてね,また,その次に12区に枚方が分かれるから,そのときには衆議院に立候補するということで,前の衆議院のときに落選されたので,ぎくしゃくは起こってたんですけども,それを私が解消さして,自民党の支部長をしてたもんで解消しまして,出ていただくという約束の下で会いまして,選挙区支部長に中司さんになってもらったからね,引き続き衆議院議員にしていただくということであります。

検 そうすると,中司氏は国のほうの衆議院議員選挙に自民党公認で出るという話になっておったと,こういうことを今おっしやったんですか。

証 そうです。

検 なぜ,証人は,市長選に出ることについて反対をされたのかなんですけど。

証 私も市長に出たいから応援頼むということを再々において、私,入院もしておりまして,病院までも偉い先生と一緒に来られたけども,私は自民党の支部長でしたんでお断りをして,ほかに勧めてる市長候補がおりましたからね。

検 証人としては,要するに,中司氏が衆議院議員の公認候補となっていたので,市長選に出ることには反対だと。

証 はい,そのとおりです。

検 中司氏から市長選に出たいと言われたけども,それは断ったというふうにおっしやったんですか。

証 そうです。

検 証人としては,じゃ,平成7年4月の市長選においては,どなたを押すというか,応援をされたんですか。

証 ヤマグチさんという元助役さんです。

検 証人以外のほかの市議の方は,どなたを応援されたんですか。

証 私は自民党ですけど,社会党,民社党ですね。それから,共産党を除くクボタの組合,小松の組合,松下の組合,公明党を含めまして,その方を応援をしようと,それで今まで枚方市は。

検 その方をとおっしゃったのは,ヤマグチさんでいいんですね。

証 はい。

検 それで中司氏が市長になってからの議会情勢をお伺いしたいんですけれども,中司さんをトップとする市にとって与党側,野党側というふうに分けますと,どういう勢力分布だったんですか。

弁 護 人 (後藤)
 
異議があります。検察官がそのような二つに分類して誘導されるということについては異議があります。与党側,野党側というたって,いろんな政策で,いろんなことがあり得るわけですから,誘導しないで聞いてください。

裁 判 長

じゃ,その点については,質間,ちょっと聞き方を変えていただきましょうか。

検 察 官 (保坂) 

じゃ,端的に,中司氏が市長になってからの議会の勢力分布というのは,どういう状況でしたか。

証 中司与党っていいますか,中司さん,そういう中で選挙されたもんですから,3人さんが中司与党と言うて,議会でも声を張り上げて息巻いてやっておりました,3人。ほかは野党やったと思います。

検 ほかはというと,何人ぐらいのほかだったんですか。

証 36人ですから,33人ですね。

検 そうすると,36人おられたうちの3人が証人の言葉で言うと,中司与党,残りの33名の市議の方は野党と,こういうことでよろしいんですか。

証 そうです。

検 証人のお考えとか立場と,中司氏側の立場とで衝突するというか,合わないということがありましたか。

証 はい。それは私がそういうリーダーをしていた都合で,おなかを切ってすぐやったんですけども,5月に退院してすぐですけども,議長になれと,中司さんに対して,乗れんいうことで議長として。

検 端的にお伺いしたいのは,そういう衝突したりとか,合わないということがありましたかっていうことです。

証 あります。

検 それは1個,2個の話ですか。それとも,たくさんあったんですか。

証 是々非々ですけども,中司市政に対しては非々がほとんどだったと思います。私は野党でありました。

検 証人が議会のほうで何か追及をするといったようなこともあったんですか。

証 あります。

検 土壌汚染の関係のことは,議事録のほうが裁判所にも出ておりますので,それは置いておくとして,ほかに中司氏が市長になって間もなく,割と近い時期の件で,何か問題というか,何か起きたことがありましたか。

証 政治ですから,いろいろありますけども,最近でいいますと,関西外大の跡の土地を買収する,災害,公園を含めて,集会場いうときなんかは,必要なしということで反対しております。

検 私がお聞きしたかったのは,中司氏が市長になられてからは,割と初期のころの話として何か問題が起きたということはなかったですかって聞いてるんです。

証 初期からですか。

検 初期のころの話として。

証 中司さんが市長になられまして,一番初め問題に当たったんは土壌汚染のしております下水の処理跡の用地に,泥をほかしまして,その泥が汚染しておったというようなことで。

検 その件は議事録が裁判所のほうにも出ておるので,私がお聞きしてるのは,それ以外のことで,初期のころに何か問題はなかったですかってお聞きしてるんです。

証 それからしたら,大きな問題は助役の解任までいきました校長先生の人事漏洩事件がありましてね,そのときも,私は追及しまして,本田助役が辞任したようなこともございましたし。

検 じゃ,また全然話は変わりますけれども,枚方市発注の第2清掃工場,今回事件になっている件なんですけども,その工事については,結局はプラントの工事と建屋の工事が分離して発注になったんですけども,証人が市議をされておった当時は,どういう発注方式になるというふうに,あなたとしてはお考えになっておったんですか。まず結論から答えてもらえますか。

証 全部一括になるもんだと,機種がいろいろありますからね,その機種によって土木と別々にすることは,私たちから言うたら,不可能やなって思っておりました。機械ありしで。

検 ちょっとごめんなさい。理由は聞いてないのでね。証人としては,そのプラントも建屋も全部引っくるめて,全部一括で発注されるもんやというふうに思われていたんですね。

証 ええ,私のいる間はそうでした。

検 その理由なんですけども,それは端的に言うと,どういう理由からですか。証人がそういうふうに思っておられたのは。

証 それは機種と土木とは,自動車と自動車のタイヤみたい,エンジンとボディーのような形で,一つでなかったらいかんもんやと認識しておりました。

検 それまでの枚方市の清掃工場では,どうだったんですか。

証 一括でありました。

検 証人が市議でおられた当時に,その第2清掃工場の件については,どこが受注しそうかという話を聞いたことはありましたか。

証 ありました。

検 どういうところを聞いたことがありましたか。

証 何かうわさでは,川鉄やとか,それから,土木工事は大林があの辺に土地があるから,大林になるでとか,そういうことを聞いておりました。耳に入っておりました。

検 今,川鉄とおっしゃったけども。

証 川崎重工です。の,ような声が自然に聞こえておりました。

検 川崎重工業が受注しそうだという話は,どの辺から聞いたか覚えておられますか。

証 どこからって根拠ないけども,みんなそういう中で,ゼネコンさんもそのように言うてましたね。

検 ゼネコンさんというのは,どこの人ですか。

証 大成さんです。

検 大成さん。

証 大成さんから,そこら辺のちまたのうわさはこうだとかいろいろ聞いてた中で,聞いておりました。

検 大成の方,大成建設の方から川崎重工が。

証 中元さんから聞いてました。

検 中元さんから何とお聞きになったんですか。

証 あれは川鉄が決まるそうやとか,大林に決まるそうやとかいうことで,我々の出る幕ないわということを聞いてました。

検 大成建設の中元さんとしては,建屋の工事は受注したいと思っているようでしたか。

証 思っておりますけども,それは不可能,大林に決まる。私はながめとるだけやって言ってましたよ。

検 大成建設の中元さんから,あなたに何かをしてほいというふうに頼まれたことはなかったですか。

証 注文を欲しい顔はしてました。注文を取りたい顔はしておりました。

検 それで取りたいから,あなたに何かをしてほしいという様子は。

証 だから,川鉄に決まりそうだから,川鉄にっていうような思いはあったと思いますけど,そんなん受けられませんから,聞き流しておりましたけども。

検 今,川鉄とおっしゃったのは川崎重工業のことでよろしいんですか。

証 そうです。

検 川鉄にというのはあったけどもとおっしゃったのは,どういう意味ですか。

証 川鉄に決まりそうですっていうことを,土建屋さんとしてキャッチしてるわけですね。その反面,大林が川鉄になっても,どこになっても大林が決まるんやと,土地柄で決まるんやから,私たちは出る幕がないと,応援はしてほしいけども,もう不可能やとかという。

検 応援はしてほしいというのは,どういう意味ですか。

証 販売というか,契約に対しての応援はしてほしそうな。

検 それはあなたにですか。

証 はい,そうです。


弁 護 人 (後藤)

中司市長さんの前は,大塩市長さんの時代が長く続いたんですかね。

証 長くやないです。1期までです。

弁 その前はどなたでしたかね。

証 北牧さんです。

弁 大塩さんの時代の枚方市の公共工事発注は,いわゆる官製談合が行われていたと,あなたの調書に書いてあるんですが,そうなんですね。

証 可能性はあったと思います。

弁 大塩さんのときは,橋本助役という方だったんですかね。

証 はい。

弁 橋本助役とか,ほかの助役のうちの一人が業界の受注規模を聞いて,橋渡しをしてた,いわゆる天の声を出していたというような事実があったんですね。

証 事実は分かりませんけども,そういう可能性は見えてたなと思います。

弁 あなたは,今年(去年の誤り)の6月ですけども,検察官に検察庁で事情を聞かれたことがありますね。

証 はい。

弁 そのときに,あなたが説明されたことを書いてもらったものがありますね。

証 はい。

弁 これを供述調書というんですが,分かりますか。

証 はい。

弁 それで間違いないということで署名押印をされましたね。

証 はい。

弁 平成19年6月13日付けの調書には。

裁 判 長

弁護人,先ほど今年と言われましたけれども,去年の誤りでしょうか。

弁 護 人 (後藤)

失礼しました。去年です。申し訳ありません。
大塩市政の最後のほうは橋本助役だったが,彼に限らず歴代助役のいわゆる天の声を出していましたと,こう書いてあるんです。これはあなたが説明されたことですね。

証 はい。そういうような僕は確証は分からないけど、そういうことはあったと思っております。

弁 Oさん(以下、証人の事を指す)が御説明になったことなんですね。

証 はい,そうです。

弁 それから,大塩市長は,それを知りながら黙認していましたとありますけれども,これも,あなたが説明されたこなんですね。そう書いてあるんです

証 まあ,そら,もうそうでしょう。助役とあれ(市長)とは一対ですから。

弁 Oさんは,そういう認識をしておられたんですよね。

証 はい,認識しておりました。

弁 要するに,大塩さんの市政の時代には助役が天の声を出して官製談合をしてたんだと,こういうことをおっしゃっておられるんですけど,そうなんですね。

証 それは知ってたらね,私は議員ですから,議員の立場でも,議会で言いますけども,そういう百パーセント知ってる。僕は警察やない。警察に調べてくださいよというようなことでありましてね,そのとおりなことが私の目に映って,そのとおりやと私は認識しております。

弁 それでOさんのお立場ですけど,要するに,私は大塩市政時代は助役に口利きできて,天の声を出すように働き掛けることのできるキーマンのような存在だったと,こう書いてあるんですが,こういう説明をされたことは間違いありませんね。そう書いてあるんです。

証 偉そうに言うたら,そうなりますけれども,世間の人は,そういう具合に見てたかも分かりませんけども。

弁 中司市長さんになってから,助役さんが官製談合的なことをしてるという事実はなくなりましたね。

証 中司さんの時代になってからですか。

弁 そうです。

証 そうですね。もう何というんですか,上も下も線を引きましたから,談合なんてできませんわな。

弁 いろんな入札の制度について,いろんな制度を中司さんの市政になってから導入されたんですね。

証 中司さんって,もう世間がね,寝屋川も枚方も全部上の線,下の線消えて,もう昔の役所の談合式な入札をやめて,上下決めて,その代わりに業者は泣いてましたわね。

弁 そうなっていったわけですね。

証 そうですね。

弁 それは市長さんの区切りでいくと,中司さん以降,そうなったということでいいわけでしょう。

証 中司さんというよりも,共産党がやかましく言いましてね,みんなの議会にも出ました,それは。組合員も言うて,みんなが言うて,時期的にそうなったと,時期的にどこともがそういう形で,昔は役所の発注いうたら,今言うたように,談合が目に見えておったと,私,証拠は知りませんけど,今言うてるとおりでありましてね,それが時代が変わってきて,中司さんもしっかりした,その中で各市とも入札制度が変わってきて。

弁 そういうことですね。

証 はい,そうですよ。

弁 その節目は,たまたま時代と合致したかもしれないけれども,大塩さんから中司さんに変わった,その辺りで節目になったと,時代と一致したと,こういうことですね。

証 ええ,そうでしょうね。まあ言うたら,そうでしょう。

弁 それから,中司さんとは古くから地元の市会議員,あるいは府会議員と市会議員という立場で知り合いでしたよね。

証 ええ,東京から帰ってから,府会に出るというときから。

弁 いや,昭和62年時代から,もちろん行き来はありましたでしょう。

証 中司さんが東京から帰ってきて,府会に出るときからね。

弁 Oさんの選挙のときには,昭和62年にも中司さんが府議の立場で応援に来ておられますよね。

証 ええ,来てくれましたよ。

弁 平成3年のときにも,Oさんの選挙のときに応援にも来てくれてますよね。

証 うん。

弁 それから,平成7年に元助役の山口さんを推されたということでしたね。

証 はい,そうです。

弁 先ほどもおっしゃいましたように,Oさんだけでなしに,自民党も,その方を推されたんですね。

証 はい。

弁 公明党の方も推されたんですね。

証 はい。

弁 民主党も推されたんですかね。

証 はい。

弁 共産党も推されたというふうに。

証 共産党は山口さんは嫌いですから,受けないです。

弁 そうすると,共産党以外は,全員が山口さんを推された。

証 はい。組合もね。

弁 と,中司さんは政党からだれも支持されずに,選挙を闘われたということになったんですね。

証 そうです。

弁 結局,中司さんが通られましたね。

証 はい。

弁 その次に,平成11年に市長選挙があるんですね。

証 はい,ありましたね。

弁 そのときは,自民党は中司さんに反対してませんよね。

証 ・・・・・・、

弁 11年ですよ。

証 ・・・・・・、

弁 最初の選挙のときは,山口さんを立てて,中司さんと闘ったんですね。

証 はい。

弁 2期目のときは,自民党は中司さんに対立候補は出してませんね。

証 いや,出なかったと思います。そのときは,ほかに自民党の支部長を辞めたから。

弁 公明党は対立候補を出してませんね。

証 出してませんね。

弁 民主党も対立候補を出してませんね。

証 出してませんね。

弁 政党として公認するとか,支持するということはしないけれども,自民党の議員さんも中司さんの応援に駆け付けたりしてましたね。

証 うん,そうでしたね。

弁 公明党の議員さんも,中司さんの応援に行ったりもしてましたね。

証 うん,私は行ってませんけど,ほかの人は行ってたと思いますよ。

弁 それから,民主党の議員さんも中司さんの応援に行ってましたね。

証 行ってたでしょう。ちょっとその選挙は,私,病気で選挙してなかったんですよ。

弁 病気でOさんが入院しておられるときに,これは手術されたんですね。

証 そうです。

弁 北野病院ですね。

証 いえ,ちゃいます。厚生年金でお医者さんが勝手に胃に穴を空けてしもうたんです。それで長引いたんです。

弁 そのときに,中司さんは,お見舞いに行っておられますよね。

証 はい,来ていただきました。

弁 何回か行ってますね。

証 はい。

弁 そうすると,2期目以降は,自民党とも公明党とも民主党とも,市長の中司さんの関係は,完全に修復してますよね。

証 そうでしょうね。

弁 それから,汚泥の処分地の問題をちょっとおっしゃいましたね。

証 はい。

弁 この問題を1期目のときに,取り上げられたんですかね。

証 そうです。なられてすぐでした。

弁 Oさんは,議会でその問題を取り上げられたんですか。

証 そうです。地元からの要望を私のほうに来ましてね,それで。

弁 要するに,処分地から有害なものが出たら大変だと,こういう問題があったわけですね。

証 いえ,違うんです。それは,ふたして置いてあるとこへね,ほかの山の近隣の産廃業者が,ここへ土を持ってきたんです,置かしてくれいうて。その上が道やさかい,そこらに出まして,その土が公害含んでると,それを調べはったんです。
枚方市も調べまして,枚方市が調べたら,白やったんです。地元の人が京大で調べたら,黒やったんです。それで,そこからが事が始まりましてね。


弁 そういう問題をOさんが議会で取り上げられた,いつどんな議会かというのは正確に覚えておられますかね。

証 覚えてますよ。

弁護人請求証拠番号25(弁25号証),平成10年第3回定例会枚方市議会会議録 (抄本) (第4日)を示す

弁 340ペ一ジを示しますけれども,弁25号証は,平成10年の第3回定例会議ですけれども,ここに覆土と書いてありますね。

証 はい。

弁 覆土の件についてということで,Oさんが質問しておられますね。

証 はい。

弁 これですね。

証 そうです。これもいろいろたくさん続けましてね,後も裁判所で裁判官に,これのお金の請求して,中,取ってもうて,してもうたり,いろいろ続きあります。まだ解決してないと思います。

弁 検察官も,これ,あるから簡単にほとんどお聞きにならなったんですけど,ここに書いてあることが関係することですね。

証 これだけやなしに,後でぎょうさんあると思うんですけども,要するに,それによりまして,枚方市が6000万か7000万掛かったと思うんですよ。

弁 いずれにしても,この問題だということで確認願えましたので。

証 はい。

弁 この問題については,市長は所信表明で,これはきちんとしなければならない問題だということで,するという所信を表明されてますね。

証 いや,市長になってから,市長が土置いてもええて言うたから,今まで土置いたらあかんと,土そこ掘ることはならんと,係長から課長から,あかんと言うてるとこに,部長と市長がよっしゃいうて掘ったと。

弁護人請求証拠番号43(弁43号証),所信表明 (要旨)を示す

弁 市長の所信表明の文書がありますんで,ちょっと確認してくださいね。

証 それは,いつの。

弁 平成11年6月です。

証 11年。

弁 はい。

証 ちょっと,それはもう覚えないですけど。

弁 ここの7ぺ一ジ目に,元下水汚泥処分地については,覆土部分のPCBなどは技術の開発を待ってうんぬんと説明してますね。

証 はい。

弁 これは関連するんでしょう。

証 これは,関連性,それはね,そこにあったんで,私言うてるのは,その上の覆土の問題で言うてるわけ。それは,もう過去にそういうことがあって,その上に覆土をした,その覆土の土によって,そういうことが出てきたんですよ。

弁 とにかく覆土の問題について,Oさんが御指摘になって,それで市のほうでも,それをきちんとしなければならないということを言ってたということは事実ですね。

証 ええ,覆土をして事件が大きくなってきたから,下のそれが出てきたから,それもせんならんと,そういうことが起こってきたんです。
そのことは,それなんです,私が言うてるのは,覆土はやって,その覆土の分の取りのけやら,いろいろしたとこに6000万か何ぼか掛かってますんや。


弁 それから,この問題に関して,コンサルタント業者と市のほうで契約されたということがありましたよね。

証 ありますね。

弁 契約書を見られたことはありますか。

証 ありませんけど,回ってきたん,大もとか,どこかに決まりましたいうて,それはありますやろう。

弁護人請求証拠番号2(弁2号証),業務委託契約書を示す

弁 これがそうですかね,この関係する。この業務委託契約書というのがあるんですけど。

証 これは,いつですか。

弁 平成11年12月8日。

証 うん。

弁 応用地質。

証 うんうん,それはあったんでしょう。議会に回ったか分かりませんけども、私は,あんまり記憶にないです。

弁 ところで,堀家さんという方,御存じですよね。

証 はい。

弁 堀家さんの調書には,ちょっと年月日はおかしいんですけど,Oさんが大成建設の図面を送ってこられた。

証 はい。

弁 その上で,Oさんが大成からの図面を検討してほしいと,こういうふうにOさんのほうに言われたという記載があるんです。

証 はい。大成さん。

弁 堀家さんに。

証 堀家さんに。大成さんは,28メーターまでできます,大林さんは50メーターまでできます,竹中さん,僕,いろいろ聞いた中で,その方法,閉じ込める方法,上から掘って入れて,傘みたいに回して,セメントで面を,いろいろ方法あるんですよ。どの方法がええのかなと。

弁 大成建設の図面について,Oさんが堀家さんに電話をかけられたことは事実なんですね。

証 そうです。こんなんもあるよいうて,それはいろいろしてます。

弁 それから,Oさんは平原さんと,平成3年ごろに知り合ったと書いてあるんですけども,このころですか。

証 はい。

弁 平原さんは,北川石松衆議院議員のところによく情報収集などで訪れていたと書いてあるんですが,これも,あなたが説明したことですか。

証 そうです。私の選挙事務所と北川さんの選挙事務所は同じなんですよ。せやから,来たり行ったりしてました。

弁 これ,よく情報収集に訪れていたというわけですから,平原さんは衆議院議員の先生のとことか,よく行っておられたわけですね。

証 同じ事務所で,私の事務所の一つが北川事務所なんです。

弁 それから漆原さんが市議から大阪府会議員にくら替え出馬したときに,選挙違反で逮捕されたということがありましたね。

証 はい,ありましたね。

弁 そのときに,平原さんは,あなたの自宅に立ち寄っては,何か自慢話をしてた。

証 もう来たら自慢話です。

弁 そこに立ち寄ってはと書いてあるんで,けっこう頻繁に,そのころお見えになってたんですね。

証 家にはそない来てなかったです。事務所のときは,よう来てました。北川さんと事務所一緒やったから。北川さんと私の事務所は一緒やけども,もう事務所引き揚げましたからね,自宅にしましたから,そないに来ません。

弁 Oさんの調書によると,自宅に立ち寄っては何か言ってたということを。

証 自慢に来てました。

弁 だから,けっこう頻繁に。

証 頻繁じゃないです。

弁 来ておられたようにも。

証 頻繁ということはない。

弁 ああ,そうですか。

証 はい。まあ言うたら,年にしたら,何度,続けて二,三回来るときもありますけども,来んときは一度も来ない。そういうことですよ。

弁 しかし 、事務所なんかには自宅よりも,頻繁に来ておられたということですね。

証 事務所のあるときはね,私の事務所のあるときは,警察と,ほん,そこですから,私の家と。

弁 じゃ,15年までですかね。

証 はい。警察と事務所と,北川さんの事務所と一緒やったからね,枚方警察の,ほん近くで。

弁 最初にちょっと聞いたことと関連するんですけど,中司さんが市長になって,最初の予算が平成8年3月ですよね。

証 はい。

弁 平成7年に市長に当選しておられるから,平成8年の3月に本予算を初めて組むときですよね。

証 はい,そうです。

弁 このときには,Oさんも予算には賛成しておられるでしょう。

証 そら,してますよ。

弁 平成9年にも、同じく3月議会で予算がありますね。

証 はい。

弁 賛成しておられますね。

証 しております。

弁 10年も賛成しておられますね。

証 そういうことですね。

弁 11年も賛成しておられますね。

証 そうです。

弁 12年も賛成しておられますね。

証 12年も,そうです。

弁 13年も賛成ですね。

証 そうです。

弁 14年も賛成ですね。

証 はい,そうです。

弁 15年も賛成ですね。

証 そうです。

弁 もう一つだけ,結局あなたは,この第2清掃工場について,川崎重工と何かに根回ししたり,そんなことは何もやっておられないということですね。

証 ありません。

弁 大成建設と,あるいはつないだりも、何もしておられないということですね。

証 はい。大成を川崎重工に紹介したこともなければ,逆もありません。

弁 平成15年の4月でもって立候補をやめて引退されたわけですよね。

証 そうです。

弁 その原因は平原さんに脅されたんですよね。

証 いや,脅されたいうことないけどね,平原さんは,そのようなことを言いにきましたよと,僕も家内を亡くしたし、最高点で当選させてもらったし,ここまで20年さしてもうたきりいうことで,公認を探しておったけど,出てくれなくて,出せなんだと,私の意思でやめてます。

弁 Oさんは,御自分の意思で辞められたけれども,平原さんが脅しに来たことは確かですよね。

証 いや,脅したというたら何ですけどもね,そら,脅されて私,はいって言うて聞く私じゃありませんからね。言葉は,そういう言葉がありましたいうことです。

弁 平原さんが。

証 僕,脅されて,そんな,はいなんて聞きませんよ。

弁 脅したけれども,あなたは脅しに。

検 察 官 (保坂)

異議があります。脅したというのが評価含みで,証人は脅されたっていう評価については違うようなことを言ってる。ですから,言葉でっておっしゃってるので,端的に,どういう言葉かをお聞きになるわけですから,脅したっていうのは証人は否定してるので誤導でございます。

弁 護 人 (後藤)

いやいや,証人,否定しませんよ。証人は脅されたけれども,私は脅しに屈して辞めたわけではないと,こうおっしゃってるんです。

証 そんな人の言葉じりを取ってものを言うたらいかんわ,それは。いや,私の今言うてることが真実であってね。それをいちいち紙に書いて,そう読んだら,僕は嫌ですよって言ってるわけ。

弁 Oさんは脅されて辞めたわけではなくて,自ら判断して辞められたわけでしょう。

証 ええ,そうです。

弁 そうおっしゃってるんですよね。

証 うん。

弁 それはいいですよ。

証 それが言うは言うたですよと,向こうが言いよったよと,私に。

弁 どんなことを言いよったんですか。

証 いや,そんなごみも絡めてね,それから,南部公民館,あれも,あんた手掛けてるやろう,そらそうです。
私,選挙が始まって,昭和58年から南部市民センターを是非建てますいうて,言うてきてるわけで。それで,やっとできて。


弁 脅しの中身だけを聞きたいんですけど,あなたは屈しなかったということですけど。

証 南部市民センターかってね,僕は地元の人に注文いくんちゃいますか,これ,やんなはれやと言うたら,あかん,あかん,あれはあかんねんとか言うてね,これから市長と会うて,あかんようにしてくるっていうて。

弁 分かりやすく言うと,平原さんは,あなたをたたけばほこりが出るぞというようなことを言われたんではないんですか。

証 そういうような意味回しを言うてました。簡単に言うたら,そういうことですわ。言葉で簡単に言うたら,そうやね。
言葉で簡単に言うたら,まあ,それに近いことやわな。それはストレートに言うてまへんで,それは。


検 察 官 (保坂)

あなたが,平成15年4月まで市議をやっておられる間のことなんですけども,その市議でおられる間,中司氏との関係というか,いろいろ反対もしたり,追及もしたりしたっていうことなんですけど,それは,何か途中でやめたようなことはあるんですか。それとも,ずっと続けておったんですか。立場的に。

証 いや,お互いに,別段けんかしてるわけでもないし、政治ではきちっと是々非々の僕は一番厳しい人やったと思いますよ。中司さんから,僕は厳しい言うてました。うまいことよう言わん,中司さんにも尾は振らん,相手が市長さんやから。

検 だから,そういう立場は,あなたが市議をお辞めになるまでの間,ずっと続けておったことはそうなんですか。

証 そうです。そら,国体なんかは,ほんま一生懸命やりましたで,市長と一緒に。

検 それで,平原氏から脅しかどうかは別として,たたけばほこりが出るというような含みのことを言われたんですね。

証 そうそう。

検 平原氏は,だから,何だということを言ってきたんですか。だから,どうしたほうがいいとか,こうしたほうがいいとか,あるいはどうしろとか,こうしろっていうこと。

証 第一,辞めてくれっていうことやね。辞めてくれっていうことを自分で決めたと。いや,Oを辞めさしたってんと言いたかったんかもしれない。

検 平原氏があなたに対して,市議を辞めたらいいというようなことを言ってきたのを,あなたは,なぜ,そんなことを平原氏が言ってきたんだと思ったんですか。

証 平原がですか。

検 はい。

証 僕が煙たいから,自分が辞めさしたらいいねんなと。

検 平原氏があなたのことを煙たがっておったんですか。

証 ・・・・・・

検 平原氏自身が,あなたのことを何か煙たがっておったんですか。

証 僕はそのときは,何かそんなもん思うてませんでしたけどね。大体,中司さんと平原さんと懇意ということは,僕は毛頭知らなかったからね,そのところ場まで。
初田さんも,平原さんは,と思っておりました。そんな,内輪の仲とは,全然初田さんとかね,もうそんなん会うてはるないうことも全然思うてなかったからね。


検 そうすると,端的に聞きますけど,あなたが平原さんからもう引退されたらどうやということを言われたとき,そのときは,あなたは思ったんですか。

証 まあ,いろいろ立場で,議会の中でも含めて,市長も含めて,もう辞めてもろうたらええのんちゃうかいなと思うてるなと思いました。

検 それは,だれか。

証 私が思いました。

検 だれが辞めてもろうたらええなと思うてるなと,あなたは思ったんですか。

証 口ぶりから言うたら,市長さんが,特に僕知っていた初田君が思ってましたね。ほんで,初田君は何遍も私とこへ来ましてね,選拳を応援してください,書いてくださいと,何遍でも書いてください,書いてくださいなんで,書いてください言うたけども,僕は推薦に絶対書かないと言っておりましてね。

検 もう一回聞きますよ。平原氏があなたに引退したらどうやと言うてきたのは,なぜ,そんなことを平原氏があなたに言ってきたんだと,あなたは思ったんですか。

証 それはね,やっぱり僕と市長とがうまいこといっとらん,この平原さんだけやなしに,中司さんの後援会長のムラタさんにしても,この二人だけは仲良うしてくれたら,枚方ええのになど,別に変な気ないねんけど,人から見たら,みんな,そう見えるんですわ。
それで,だれが言うても,中に入っても握手しよらんと,わしも手を焼いてるとか,大体,世間相場でしてね。
Oは市長の,そんなもん別になくっても,世間がそういう具合に思っておって,ほんで,中司さんはOが引いてくれたらええねんなということを思ってる人がぎょうさんあります。平原さんも,そのうちの一人やと思いますわ。
ほんで、自分が辞めさして手柄やなと思ってたんかもしれないです。


検 証人は,そう思われたということですな。

証 はい。それでなかったら,そんなこと言うことはないですよ,私に対して。


裁 判 官 (能宗)

先ほど,大成建設からの図面を送ってきたよという話を堀家さんにされたとおっしゃっていましたね。

証 はい。

裁 これは土壌汚染の関係の図面ですか。

証 そうです。土壌汚染の,これから,どういういう具合な方向でするか,それを大成もいろいろ含めまして,そういう点だけ,それで送ってきたんやなしに説明をした思う。
手元にあったんは,堀家さんかも分かりませんけれども,多分,伊丹さんやと思うんですけどね。その辺の方,役所の方に,こんな方法あるでと,これどうやっていうことを説明しました。それが手元に残ってたんだと思います。


裁 それから,大成建設などの建設業者の方が,あなたの御自宅に出入りしていたことがあったということですね。

証 うん。

裁 これは,いつごろまで,そういうことがあったんですか。

証 今でもあります。ほんで大成建設の偉い人が,うちの京阪住宅に住んでる自治会の会長さんもしておられて,うちの近所には大成さんやら,清水さんやら,一杯,京阪住宅がありまして,150坪,200坪,そこに七、八人いはるんです,ゼネコンの方が。
その方らが,みんなOBですけども,寄ってたかって,僕にいろいろ役所のことやら,本を送ってきてくれたりしてはりましてね,何も大成だけやないんですよ。


裁 それから,市会議員は5期務められたということでよろしいんですか。

証 はい,5期させてもらいました。

裁 ということは,5回選拳をされてるということでよろしいんですか。

証 そうです。5回選挙させてもらいました。

裁 その結果なんですけれども,あなたの当選順位はどの辺りになりますか。

証 絶えず上位でして,ほんで,僕が病気したときには,2位になりましたけども,最終66才になって選挙さしていただいて,ダントツの初田さんを抜きまして,前,初田さんに120票ほど負けましたんで,今度は皆さん応援してくれはって1600票ぐらい引き離して断然トップで当選さしてもらって,次,選挙したら通るんですけども,私はトップにもさしてもらって,その間,苦労をさした家内も亡くしましたし、もう選挙はいうことで,ほんで,娘にでもって言わはりましたけども,もう辞退さしてもらって1年空いて,その後,去年に自分の村から出ていただいたと,・・僕は,そういう人生であります。


裁 判 官 (橋本)

まず,中司さんが初めて枚方市長になった平成7年のころのことですが,先ほどのお話ですと,議会の勢力分布としては,中司さんの与党が3人,そのほかの33人が野党,このような勢力分布であったということでしたよね。

証 はい。

裁 その与党の3人の中には,初田さんは最初から入っていたんですか。

証 初田さんは入っていません。

裁 違うんですか!

証 はい。

裁 その後,3対33という勢力というのは,あなたが平成15年にお辞めになるまでは,勢力分布の移動というか増減というのはあったんですか。

証 ありました。

裁 最終的に,あなたが15年に辞めたころは,勢力分布的にはどのような感じになっていたんですか。

証 中司与党がほとんどやなかったですか,共産党を除いて。公明党は中司与党でした。うちの会派は是々非々です。是々非々のところ,人によってあります。

裁 同じ会派でも,与党的な人,野党的な人もいた。

証 はい。

裁 あなた自身は,どちらかと言うと,野党的ということになるわけですか。

証 はい。初めに33人から野党で,中司野党の議長やということで推薦されて議長になっていますから。

裁 あなた自身は,平成15年に市議をお辞めになるまでは野党的な立場であった。

証 表はそうです。

裁 それから,川崎重工との関係でですが,本件の第2清掃工場の関係では,先ほどのお話ですと、川崎重工との接点はなかったんだと,こういうお話でしたよね。

証 はい。

裁 それ以外のことに関して,あなたが川崎重工と接点を持っていたり,何かパイプがあったりとか,そういうことはあるんですか。

証 川崎重工とは,別段ありません。

裁 それは第2清掃工場の問題いかんにかかわらず,ないと,そういう御趣旨ですか。

証 はい。


弁 護 人 (後藤)

是々非々というのは,議案に応じて賛成する,反対するを決めるということですね。

証 そうです。

弁 あなたも,先ほど聞きましたけれども,予算案はずっと全部賛成しておられるんですよね。

証 はい。

弁 政治家にとって,野党か与党かと決める一番のポイントは,予算案だということは分かりますよね。

証 はい。

弁 それは,結局,Oさんも是々非々で正しいものは賛成と,こういう立場ですね。

証 そうです。だから,全体の予算の中で,一つ,二つの反対があっても,全体から見たらオーケーやと,こういうことであります。

弁 それで,第2回目の選挙のときは,対立を出さなかったということは,その1期目の終わりまでに,3対33というのはもう解消されてきていたんでしょう。

証 そうでしょうね。

弁 オール与党化していったんですね。

証 オールといったら何ですが,大体,なびいた人もあったし

弁 1期目の間に。

証 1期目の間も,公明党はどういうふうに取ったか知りませんけど,公明党が一番大きなあれですからね。


裁 判 長

あなたが辞める前のころ,あなたあるいは会派の反対等によって,中司市長の市政運営というのはスムーズいってなかったという事情がありますか。

証 思い当たるところぎりぎりで,私が提案したのは負けましたけれども,関西外大の土地跡を枚方市が買収する議案,これは僕は一生懸命やりましたんですが,・・要するに,税収の入らないものにするから,もっと税収の入る大きな土地ですから,小松もなくなるから反対やという,わりかし,反対してくれた中でも,最後には公明党が反対して,なりましたけども。そういうのが一番大きな問題でした。

裁判長 

関西外大の件ですね,そのほかには何か対立した件がありますか。

証 対立議案と言うたら,どれかな………今記憶ありませんけども、何ぼもありました。人事の上で助役が飛んだときとか。

裁判長 

枚方市の運営にとって重大な議案について,かなりあなたのほうが反対意見を述べていたという事情はあったと,こういうことでしょうか。

証 はい,ありました。


弁 護 人 (後藤)

今のお話ですが,あなたの反対で,市政が前に進まんとかいうようなことは,そんなことは一回もないでしよう。

証 それはないでしょう。それは議会の中で何ぼか………。

弁 議会の中で,あなたが是々非々で。

証 私一人ではどうにもなりません。私ら,3人会派ですから,公明党さんやら,あるいは民主党さんなり,その中で割れた人が寄ってたかって,その議案によって,グループ,グループが変わってくるわけです。そのグループが寄って,多いときは勝てるけれども,少ないから負けるわけであって。

弁 おっしゃったように,是々非々で,あなたは自分の信ずるところに従って,反対は反対の意見を言ったと,賛成は賛成でいったということでしょう。

証 はい。非々のときにも食らいついてくれる人あります。是々のとき,食らいついてくれる人あります。食らいついてくれるときは僕が行くとき………、

弁 結局,あなたが反対したからといって,市政が滞ったようなということは一回もないでしょう。

証 一回もあったかないかは,評価は分かりませんけれども,それはないことはないでしょう。

弁 全部通っているんじゃないんですか,予算もちゃんと通っているんじやないんですか。

証 通っていますけど,通るまでの中で,通るのは最後は通っていますがな。
通る過程ね,予算委員会もあれば,中に委員会もある,その過程の中には,入り交じっているのはたくさんありますよと,うるさいことぎょうさんあったんじやないんですか。

弁 あなたが意見を言ったということでしょう。賛成する人もいたということでしょう。

証 はい。

弁 それはきちっと議会で議論したんでしょう。

証 そうです。

弁 それで,ちゃんと議決をするなりしていっているんですね。

証 そうですよ。その中にもありますよと。

弁 反対されてというのがあるということでしょう。

証 はい,決まるまで。

以上。


注:文中の中司氏の与党3人とは、当時のCHI議員、幸議員、E議員の3名と言われている。しかし、中司氏は、自分に与党はないと否定され、自分は広く「市民党」とされていた。

注:地方自治法では、地方議会に与党も野党も規定はありません。議員は全て住民代表という事になっています。