議案第23号 枚方市路上喫煙の制限に関する条例の制定について

2008年9月16日    (現在は質疑のみで答弁は掲載していません。)


1回目質疑

住民全体に対する行動制限に係る条例については、どのような内容であっても極めて慎重に取り扱わなければならないと私は考えています。

このような観点から何点かお尋ねします。
以前、いわゆるポイ捨て禁止条例が平成14年に全会派一致で可決されました。

調べてみますと平成7年に千葉議員の質問があり、平成8年に霜辻議員、平成9年には津上議員、平成11年には西岡議員、平成13年には森崎議員、そして条例が可決される平成14年には山原議員と多くの会派からポイ捨て禁止条例の必要性を訴える内容の質問があり、当時の中司市長は環境審議会の答申を受けた上で条例成立に向けて行政・議会が共に進めた経緯があります。

もちろんその過程では様々な資料は求めれば公開されていました。
私は、住民全体に対する行動制限に係る条例でありましたので原則反対ではありましたが行政議会のプロセス(手順・道程・過程)を尊重し賛成いたしました。

しかるに今回では、条例を求める議会質問はあったように記憶していますが、議会を上げての質問と感じることはありませんでした。インターネットによる市民アンケートは今年の1月と7月にまとめられたのみ。この8月1日に環境審議会に諮られているようですが、議会への報告文書も出来上がっていない中で条例を上程されました。

多くの市幹部や議員も寝耳に水でビックリ状態でありました。私も気がつくとこの条例についてお尋ねする機会は今回が最初で最後!究極の議会軽視とも思えます。
そこで、まず、時間をかければ全会派一致の可能性もあったこの条例を、このように短兵急に事を運ばれた理由をお聞きします。

次に、全域を24時間禁止区域とされたことについてお尋ねします
全国において、東京、大阪、京都、北海道などの自治体の中には路上喫煙の制限条例を設けているところはあります。
特に東京都周辺の自治体の中には人口密集地でもあることから条例により禁止や制限を設けている自治体があるように聞いています。

そこで1、市域全域を禁止区域とされている自治体はどれほどあるのか、
2、その都市名と条例制定までどれほど時間を費やされたのか、
3、また、その自治体において条例制定までの経過において市民や議会からどのような指摘や工夫があったのか、
4、枚方市域には関東と比べて住宅が密集していない地域も多くあるがなぜ市全域24時間とされたのか、
5、そして住民全体の行動制限に係るこのような重い条例を上程されるまで議会と密に連携されなかった理由はなぜか、をお尋ね
します。
また、6、一般論としての自治体が住民に影響を及ぼす「行動制限に係る条例制定」にあたって注意点と心構えについてお聞かせ願います。

次に「喫煙の制限に関するアンケート」についてお尋ねします。
平成20年1月と7月にインターネットと紙アンケート併せて300名前後からのアンケート結果を出されました。枚方の有権者の約0.1%にあたります。

9月4日に行われた厚生委員協議会において、「条例提案が前提であったアンケートについて何の報告も無かった」との指摘があったようにお聞きしています。

アンケートの内容を見まして、これでは議会に報告できなかっただろうな、と感じました。1月のアンケートについては極めて誘導的でバランスを欠いているような項目もあり、アンケートとしての評価以前の問題であることを指摘させていただき論評は出来ません。アンケートの取り方の注意点など記載している本があるはずなので勉強していただきたいと思います。

7月の当局のアンケートは、少し客観的な質問もありましたので何点か質問いたします。
一つは喫煙制限区域について人通りが特に多い歩道やバスロータリー等を指定しようと検討している事に86%の方が「良い」と思っておられます。にもかかわらず指定区域が市駅と樟葉駅周辺だけに限られた理由をお示しください。
二つ目は制限区域内や隣接地に灰皿などの喫煙場所確保の問いに半数以上の方が灰皿や喫煙場所が必要とお答えになっているにもかかわらず、喫煙場所はおろか、灰皿の全面撤去を進められる理由をお示しください。

次に環境審議会についてお尋ねします。
今年の8月1日の環境審議会に「歩行喫煙の抑制について」という題名で諮られたようです。ようですと申し上げるのは、まだ議会に配るペーパーが出来上がってないとのことです。

そこで仄聞した内容でお尋ねします。これは重要な質問ですのでよーくお聞きになってください。
審議委員さんの中には条例を作ってまで抑制することに反対されたり、十分な議論が必要との指摘があった。ともお聞きします。また、全域規制ではなく制限区域をもうけることに賛成というご意見や、単に禁止、禁止、と言うのではなく喫煙者の協力を得ることを大切にお考えの委員もおられたようです。

そのような様々なご意見に対して事務局の答弁は、「禁止区域の設定が第一歩で、今後、喫煙者が無くなれば理想に近づくのだ云々」との発言があったように仄聞しました。

事務局の発言は事実なのか、また、発言者は誰なのか、事実とすれば市長は把握されているのかお尋ねします。
この条例は喫煙者抹殺条例の先兵とするならば、なるほど竹内市政になって順調に減収している19年度決算のタバコ税収19億9千万円を財政の見地から今後どのように考えておられるのかお尋ねします。


2回目質疑
縷々のご答弁ありがとうございました。
条例化が早急すぎるのではないかとの質問に、先ほどこのようにお答えになりました。
平成18年決算特別委員会、平成19年第4回定例会、今年3月の第1回定例会代表質問、同じく予算特別委員会で質問をいただいたとの答弁でした。
お尋ねしますがその質問はポイ捨て禁止条例のように1,多くの会派から出たのでしょうかお尋ねします。

また、今年3月の私が行った代表質問で、タバコに関する規制をすることについては税収面の事もあるので2,慎重に取り扱いをお願いします。と代表質問で申し上げたことは、先ほどの答弁では「なかったこと」になっていたのでしょうか、それともお忘れになっておられたのでしょうかお尋ねします。

次に歩きたばこを禁止している自治体は関東に2つあるとのことです。しかし、残念ながら条例制定に向けた内容については何もご答弁はありませんでした。すでに時間的余裕はありませんが・・・各種資料があれば終わってからいただきたいと思います。

最近では神奈川県の松沢知事が「公共的施設における禁煙条例」制定に向けて年度内に制定しようと努力されています。様々な事業者と話し合いを続けておられるようです。枚方市の条例には、第4条の事業者の責務が示されています。3,事業者との話し合いはどの程度されてどのような内容であったのかお尋ねします。

3月の代表質問で私が市長に、税制の面もあるので慎重にお考え願いたいと申しましたのも、関東とはサイフ事情が異なりますとのことも申し上げたかったからであります。
関東圏の自治体の財政はたばこ税の比重が少ないのではないかと思います。比較的余裕があるということです。4,このたばこ税の点でもどの程度配慮されたのか
再度おたずねします。

3回目質疑

私はポイ捨て禁止条例では多くの会派質問が出ていて、今回はどうですかとお尋ねしたので、ご答弁では「複数の議員から」とのことです。正しくは1会派(公明党)からしかなかったということです。

また、税収の面では今回の条例のみの観点からしか感じることが出来ませんでしたが、都市経営の観点からも一面的で、多面的に検討された形跡がありませんでした。
たばこ税はタスポの導入もあり確実に減じます。そのことに対する認識があまりにも一面的すぎると感じました。残念です。

最後に今までのやりとりをお聞きになって議案提出者である竹内市長はどのようにお考えになっておられるかお尋ねいたします。

反対討論

豊臣秀吉公以来、自由闊達の気風を尊ぶ、この大阪の地で、枚方から、内容はどうであれ自治体による、住民・市民に対しての全域禁止条例が短兵急に出されたことは残念でなりません。

私は制限区域をもうけることについてはやむなしと判断していますし、市駅と樟葉駅だけでなく、東部の議員さんと話をされれば長尾駅にも必要となるのではないかと思っています。
ご答弁では市駅と樟葉駅の乗降客が格段に多いためとされています。しかし、長尾駅では乗降客数14000人ですが、車道から駅へのアプローチが少なく、また歩道も狭く規制の必要性があるようにも感じます。

時間さえあれば修正案もお出しできたと思いますが、質疑をお聞きのように出す暇(いとま)もありません。

ご答弁の中で「必要最小限の規制にとどめ、市民の意向を十分取り入れること」と答弁されながら、大変お粗末なアンケート調査と、時間的に間に合わず書面で議会に報告できない環境審議会だけであったことが判明いたしました。

私は部長に、もう少し丁寧に進めれば全会一致で賛成が得られる案件ではないか、なぜ、そのように急がれるのか。とお尋ねしましたが、頭を下げられるのみで、やはり理由がわかりません。

夜の人通りのない郊外で、マナーを守りポケザラをもってお吸いになっておられる市民・納税者をも違反者とする必要が本市にあるとする理由が全く理解できません
財政は豊かだけれども面積の狭い東京都内の自治体と違い、枚方のように住宅中心の地で、全地域24時間禁止を設定しなければならない根拠はないと考えます。

よって、住民全体に対する行動制限に係る重要条例議案である事に対して、全体的にプロセスが不十分であること。
制限地域を設けることはやむなしと判断しますが、市全域24時間禁止の必要性が認められないことにより、議案第23号「枚方市路上喫煙の制限に関する条例の制定」については反対いたします。



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